ECOだより





「無添加」と表示?! どう捉えますか?
「無添加」と「不使用」の違いは言葉の違いであって同じ意味です。
消費者に安心感を与える表現です。今回の「無添加」「不使用」は安全でしょうか?



今年3月(2019年)、一般に流通しているパン製品に記載された「乳化剤不使用」の添加物表示に関して問題提起されました。
現在のところ「不使用」と強調した表示に対する法律の規制はありません。
成分分析結果によると実際は乳化剤をそのまま添加はせずに「食品扱い」となる卵黄油などを使って乳化剤と同質の成分を製品中に生成する代替製法を用いているものと判断され、表示義務を回避する製法の可否が問題提起されています。
乳化剤は水と油のような混ざりにくい食品素材を均等に混ぜ合わせるために使用される食品添加物で、パンの保水性を高め柔らかさを保ちます。

乳化剤「不使用」と表示!実際は代替製法や同質成分を利用しています。
乳化剤と同質の成分が入った食品に「乳化剤不使用」と表示されていることには疑問を抱きます。消費者は「不使用」と強調された製品中に、まさか乳化剤と同質の成分が生成されているとは思わないでしょうし、誤認を招く表現を使用するのは不誠実に感じます。それとも食品添加物の摂取を避けたい消費者のための企業努力の一つと捉えるべきなのでしょうか。
そもそも保存料が不要な冷凍食品に「保存料不使用」と強調する表示もあります。

消費者には食品添加物は「身体によくないのでは」という印象があります。
本来なら「食品添加物としての乳化剤は使用しておりませんが、加工過程で同様の成分を生成しております〈卵黄油脂(乳化用途)〉」と食品安全委員会が記載を義務付けるべきと考えます。
食品衛生法で現在使用が認められている添加物は、既に安全が確認されている「既存添加物」と現在進行形で安全性評価が継続されている「指定添加物」とを合わせて820品目(2019年3月時点)があります。

根強い 不信感誤認を与える表示は不誠実。
食品添加物を全て完全否定すれば現代の食生活が成立しなくなることも事実ですが、今回のように企業が製品の販売において優位に立つための「違法とはならない製法」の技術開発をおこない、「より安全に見える商品表示がおこなえる製品」が提供された場合は今後において何を基準に選択すれば良いのか、将来の食の安全性に関して不安や不信感を招きます。


JAFA(一般社団法人日本食品添加物協会)は昨年11月、一般消費者にアンケート調査を行ったところ「無添加」「不使用」と表示された商品の方が、表示されていない商品より安全だと回答した人が半数以上を占めています。



忙しいライフスタイルではお米よりもパンやパスタを食べる?
パン食は時間と手間があまりかからないのが好まれ、朝食のお供となる場面が多いようです。個々人が都合の良い時間に食べやすいものを食べる個食が進んだことなど、やや意外ですが高齢者の方がパンを好む傾向もあり、今後高齢世帯が増えることからパンの需要はさらに伸びることが予想されています。
1世帯あたりのパン消費量の全国平均は45,087g/年で、標準的な食パン(400g)に換算すると113斤にあたります。

色々なパンの楽しみ方が多様化しています。パンブームに沸く昨今ですが、専門店のパンの表示義務は?
ECOだよりVol.47の特集で「全ての加工食品原材料産地表示義務化され、消費者は産地を確認して商品を選べます」と紹介しております。
私たちが日常的に口にするパンの種類が増え、多種多様なパン屋が次々とでき、雑誌の特集やSNSの拡散さらにはパンだけのイベントに長い行列ができるまでになっています。ちょっと高いものでもケーキに比べると割安感があり、手土産にパンを選ぶ人が増えているという状況です。ましてや有名店のパンになると話題にもなります。
皆さんは買う時に原材料を確認されますか?
その場で販売される食品は、作った人に確認が出来るので表示の義務はありません。 ということで、リサーチをしてみました。例えば食パンの場合
表示義務がないのでお店によってはネットに掲載。

〇〇パン屋
原材料は小麦粉/生クリーム/バター/
砂糖/シママース塩/水卵は一切使用していません。
☆☆パン屋
おいしさのため、高級オリジナルマーガリンを使います。
乳化剤・着色料・保存料・香料無添加
(植物性油脂にはパーム油と大豆油もしくは菜種油等を使用しております。)