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体内には「免疫チェックポイント」と呼ばれる、免疫が自分自身の正常な細胞を攻撃しないようにブレーキ機能を働かせるスイッチ(PD-1という分子)を備えておりますが、ガン細胞はまるで意思や意識があるかのようにPD-1のスイッチをONにして免疫からの攻撃を巧みに回避しようとします。
生体内には通常、免疫システムの一つである「T細胞」の働きでガン細胞を異物とみなし排除する機能があります。しかし、免疫システムの「T細胞」には自身の過剰な働きを抑えるためのブレーキ機能のスイッチ「PD-1」があり、ガン細胞は「PD-L1」という分子を作り出して「PD-1」のスイッチをONにしてガン細胞への攻撃を逃れて増殖しながら進行します。 |
オプジーボ(免疫チェックポイント阻害剤)はブレーキ機能のスイッチ「PD-1」を隠して、ガン細胞が繰り出す「PD-L1」の仕掛けを身代わりとして受け、「T細胞」のガンへの攻撃を継続させる新しい治療薬となります。 |
オプジーボは末期ガンの患者でも効果が認められ、2014年世界に先駆けて日本で皮膚ガンの悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として承認されました。さらに肺ガンや胃ガンにも効果を確認、現在では60カ国以上で承認されています。国内ではオプジーボ以外にも「ヤ−ボイ」など5種類以上の「免疫チェックポイント阻害剤」が承認されています。今回のECOだよりは、もしもガンに冒されたら…外科手術、抗がん剤、放射線に続いて自らの免疫力でガンを治療する第4の治療法としてご紹介させていただきました。
※オプジーボ投与による副作用もありますので、副作用に対応できる設備の整った病院での診療をお薦めします。 |
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