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生物は種の壁を越えて遺伝子が移ることはありませんでしたが、例えばてんとう虫の遺伝子を自然界では交配はしない大豆に組み込むとか、ハモグリバエ(害虫)の遺伝子をトマトに組み込むとか・・・ある生物の遺伝子を取り出し、別の生物に組み込んで今までなかった新しい性質を作り出すのが「遺伝子組み換え技術(GM)」です。こうして遺伝的に改造された作物が「遺伝子組み換え作物(GMO)」です。日本でも一部で秘密裏に遺伝子組み換え作物が栽培されていますがアメリカやカナダでは広範囲に栽培されその多くは日本へ輸出されています。 |
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作物自体に、殺虫能力や除草剤への抵抗力を持たせます。 |
現在、遺伝子組み換え作物で最も多く作られているのが、除草剤耐性作物(特定の除草剤に抵抗力を持たせる遺伝子操作)です。他の除草剤をかけると枯れてしまうため除草剤耐性作物の種子を売れば売るほど、特定の除草剤とセットで売れます。農薬メーカーが遺伝子組み換え技術を開発したカラクリがここにあります。 |
除草剤耐性作物 |
殺虫作物は作物自体に殺虫能力を持たせ、害虫の幼虫が食べると殺虫毒素が働いて殺す仕組みです。害虫だけではなく益虫も殺す危険性があり、実際に蝶の幼虫に殺虫作物の花粉がついたトウワタを食べさせたところ徐々に摂取量が減少しやがて成長が止まり4日後には44%死亡しており、標的害虫以外の益虫にも悪影響がでることが実証されています。 |
殺虫作物 |
大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、菜種(油)、綿実(油)、甜菜(砂糖の原料)の7種ですが、私たちがほとんど毎日食べている大豆加工食品「醤油」「味噌」「豆腐」を筆頭に、トウモロコシはコーン油や※ビール(コーンスターチ入り)コーンスナック菓子、ジャガイモは冷凍ポテトの形で輸入されフライドポテト・ポテトチップスに、マヨネーズとマーガリン・サラダ油は大豆、トウモロコシ、菜種、綿実などの搾油を使って製品化されていますが「遺伝子組み換え」表示はされていません。
「遺伝子組み換え」トウモロコシは95%アメリカから輸入され日本では多くが家畜の飼料になり、それ以外にも多種類の加工食品の原料として使われています。
伝統食品からスナック菓子まで日本人は家畜製品を含めて直接、間接ダブルで「遺伝子組み換え」トウモロコシを食べていることになります。日本では遺伝子組み換え作物に対しての規制がゆるく表示はされません(混入5%まで非組み換え表示)。 EUでは規制が厳しくすべての食品や飼料、さらに添加物までも対象とし「非組み換え表示」ができるのは混入率が0.1%未満の場合に限られています。
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麦、麦芽のみ使用と明記されているサントリーの「モルツ」
サッポロの「エビス」、各地の地ビールを除く。 |
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遺伝子組み換え作物はこれまでに自然界には存在しなかった植物です。市場に出回ってまだ十数年、私たちの身体や環境に及ぼす影響は予測不可能です。遺伝子組み換え作物の家畜への影響も未知数で実験も追跡調査も行われていません。自然界では除草剤耐性菜種の花粉が飛び交い雑草と交雑を起こし除草剤の効かないスーパー雑草の誕生、それを昆虫や動物、家畜が食べる、留まるところを知らない連鎖。それでも世界の種子企業は新たな遺伝子組み換え作物を開発中です。 |
(掲載写真はイメージです) |
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