ECOだより



実は身体にやさしい癌」治療=重粒子線治療をご存じですか?
「重粒子線治療」は、科学技術が生み出したガン治療における先進医療の一つです。西洋医学的な外科手術や抗ガン剤を使用せず、また過度な東洋医学的対処でもなく、実は放射線治療でありながら高い安全性を確立した「サイエンス治療」として捉えることができます。




1. 一生のうちで癌と診断される確率/男性54.9% 女性41.6%
ご存じの通り日本人の三大成人疾患で最も多いのが「癌」です。一生のうちにガンと診断される確率は男性が54.9%、女性が41.6%と現在までの統計があります。
また、高齢になるほど発症しやすいといわれておりますが、電磁波に囲まれた文明生活や食料輸入大国である日本の食環境における現役世代や若年層の環境ホルモン(微量化学物質や石油成分)の摂取量などを考察すると、ガン発症の低年齢化と増加も予想されております。



2. 癌の死亡率は男性は肺癌が1位で女性の1位は大腸癌/肺癌23.9% 大腸癌14.9%
近年、肺ガンは日本人のガンによる死亡原因のトップとなりましたが、まだ増加する傾向にあります。
2012年にガンで死亡した人の数は約36万1千人で男性が女性の約1.5倍です。部位別の死亡数は、男性では肺が最も多くガン死亡全体の23.9%を占め、次いで胃(15.0%)、大腸(11.9%)、肝臓(9.3%)、膵臓(7.2%)の順、女性では大腸が最も多く(14.9%)、次いで、肺(13.8%)、胃(11.6%)、膵臓(9.9%)、乳房(8.6%)の順となっています。
独立行政法人 国立がん研究センターがん対策情報センター 資料




「エックス線治療」と「重粒子線治療」との違い
従来の放射線治療で使用されるエックス線やガンマ線は、ガン病巣に対して体外から照射すると体表面近くで放射線量が最大となり、それ以降は減衰していき体の深いところにあるガン病巣には充分な照射ができず、またガン病巣以外の周りの正常細胞にもダメージを与えてしまうため、副作用を避けて照射する放射線量の加減が必要となりガン病巣に充分なダメージを与え切れない問題点を抱えておりました。

一方、重粒子線及び陽子線は体表面では放射線量が弱く、ガン病巣において放射線量がピークになる特性(ブラックピーク)を有しているためガン病巣をピンポイントで狙いうちすることができ、さらにガン病巣の深さと位置に合わせてブラックピークを設定することでガン病巣に充分なダメージを与えながら、正常細胞へのダメージは最小限に抑えることができます。

特に「重粒子線治療」は、陽子線を照射する同様の「粒子線治療」よりも線量集中力に優れており、ガン細胞に対する殺傷力も2〜3倍大きいとされているため少ない照射回数でも効果を得られるので治療期間をより短くすることが可能となります。
放射線

ガン細胞だけでなく、他の正常な組織にもダメージを与えやすい



重粒子線

ピンポイントでガン細胞に効率よく照射し他の正常な組織に与えるダメージが少ない




重粒子線とは
簡略にいいますと放射線の中で電子より重いものを「粒子線」、ヘリウムイオン線よりも重いものを「重粒子線」と呼びます。重粒子線治療とは、この重粒子線を活用した放射線治療で特に「炭素イオン」が放射線元素として活用されます。炭素イオンは陽子の12倍の質量があり、質量が大きいほど破壊力も大きくなります。


写真・イラストはイメージ






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